| 新しいものを目指して |
| 北海道に行く前は、89キロ。 (それにしたって痩せてはいない) 戻ってきたら、113キロ!? (俺の身長は192センチだから…) ……。 待てよ。 変だと思っていた。 俺を見たときの、すずなのあの目! あれは、愛を感じている目ではなかった。 第一ズボンがきつい。 足取りもなんだか重くて、動くのがおっくうだ。 動くのがおっくう! この俺が!? でも、まあ、いいかあ。 そんなわけで俺、紅美点は、太った体をそのままにして 生きてゆくことに決めた。 ──太った美点の、太った二鷹市民生活── どすどす。 やあ。 俺は、美点だ。 お前は見たことがあるぞ。 確か…なんだったかな。 まあ、いいや。 あはは。 いや、よくないか。済まない。 太ってから、妙におおらかになってしまってな。 あ!思い出した!確か、学校で一緒だったな。 そう言えば女装コンテストで… ……あれ? なんだか、もう疲れてしまった。 ごめん。また今度、話そう。 ふー。 どすどす。 ※1 美点しか友達がいない人。→神崎 ※2 太った人は、痩せた人より動くのに労力がいるので 面倒くさがり屋さんになる。→真理 ※3 美点は太った。→ので、※2の真理に当てはまって良い。 ※4 太った美点が色々面倒臭がる弊害。→神崎は一人ぼっちだ! ※5 弊害はそれしかない! シーン2>あの人とカクテルバーで。 やあ、美点。 少し見ない間に、随分と立派に成長したね。 すずなさんは。 ふうん。 なら。 良いのでは。ないかと。 俺は君の恋人ではないから。 蓮太郎。 合間合間に腹の肉を、つかまないでくれ。 総合評価◎ 先生から一言 蓮太郎君に体型を誉められたら、まあ、イエロー決定だよね。 戦隊モノだったら。 「見た目って大事だと思うんです」 ※プライバシー保護のため、音声は変えてあります。 「確かに、あたし美点君は中身の人だって思うんです。ええ。それは。 そこのところは間違いないと思うんですけど。 でもねー。 物事って限度があるっていうか。 その体であんた何やるのって感じ? この間も、おなかの肉が邪魔でおしょう油のビンが取れなかったの。 芙美ちゃんと二人で大笑いしたわ。 本当にねー。 100年の恋も冷めるっていうか。 あ、もちろん今でも美点君のことは大好きなんですけど。 自分から手は繋ぎたくないっていうか。 触りたくない? あ、これ、ちゃんと声変わってますよね?」 「よー」 「あ、早瀬」 「お前太ったよな」 「最近それしか言われない」 「だろうな。その体じゃ」 「でも別に不便もないしなあ」 「裏方とキャラかぶってるじゃん」 美点はやせた。 改め、やせることにした。 男を動かすものは、女には計り知れないという話。 |
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