| 部屋 |
| ザラザラした感覚が、身体の中を這い回る。 内側から撫で上げられるような、感触。 乾ききった喉を無理に動かす時に似て ザラザラと不快な感触がする。 目覚ましが鳴って手を伸ばした。 不意に音が止まり、静けさが戻る。 いつもと同じ朝。 機械的に学校へ行く支度をし、家を出ようとしてドアの前で立ち止まる。 ドアノブに手をかけたまま、振り返る。 君のいない窓際に、視線を止めた。 君のいないベットサイド。 君のいないテーブル。 君のいない、部屋。 君がいない、…君がいない。……君がいない… 何故、振り返ったんだろう。 振り切るようにドアを出た。 あたたかみのない部屋の扉を、静かに閉める。 カチリ。 無機質な音がした。 カギを抜き取って上へ放る。 それをキャッチしながら走り出す。 カギ束が、耳に痛い金属音を響かせた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハヤク キミニアイタイ。 |
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