| 遠距離恋愛 |
| いつも追いかけてた。 ピョンピョン元気なそのオレンジのしっぽを。 自分より先に届いた荷物をほどくと中から出てきたのは卒業アルバムにボタンがない学ランなどなど。 実家に戻ってきてまだ一週間も経ってないはずなのに、もうずっと会ってないような感覚に襲われた。 「あー…会いたいなぁ、みんなどーしてるんだろ」 呟きながら出てきた写真見てると、潔の側ですっげぇバカみたいに笑ってる自分がいた。 「うわ、チラ犯…。っつかバレバレ…」 顔しかめながらもそのツーショットをなんとなく他と選り分ける。 潔とは高校で知り合った。 初めはちょこまかしてて元気でかわいいなー、ってぐらいにしか思ってなかったけど、一緒にいる時間が長くなるうちにそのちっちゃい中にあるまっすぐさとか行動力とかにどんどん惹かれていった。 もちろんそれは僕だけが感じてるわけじゃなくて、潔が学校の「アイドル」になるのは時間の問題だった。 正直面白くなかった。 ふたりっきりでしゃべってても、いろんなヤツが潔に会いにきて、大概周囲は賑やかになる。 誰にでも見せるその笑顔がなんか悔しかった。 『なるべく僕ひとりだけに』 周りのやつらと同じに見られるのは嫌で、でも「トクベツ」を求める勇気もない。 どーしよーもない頃の自分が写真に写ってる。 それでも。 手を伸ばせば届く距離に潔がいる写真の自分が羨ましくなった。 「もっと、触っときゃ良かったなー…」 誰も聞いてないのに強がってみる。 成長してないどころかもっともっとどーしよーもない自分。 それでも僕の頭ん中の潔は、写真と変わらない笑顔で笑ってた。 |
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