光景


誰かが僕の手をひいて歩く。
ゆっくりと・・・・・・・・。
寒い季節なのだろう。
吐く息が白くふわふわと空気に混ざって消えていく。
ふと、繋いだ手の持ち主を見上げる。視線が合った。

その人は無言で微笑んだ。

ほっとした。何故かとても・・・。
顔はよく分からない・・・眩しいからだ。世界が光っている・・・白い白い・・・。
これは雪だ。雪の日なんだ・・。

サクサクサク・・・微かに雪を踏む音がする。

突然立ち止まった。

その人の唇がより深く、微笑む。

細く白い指先が、その人の背丈より少し高い木から赤い花を一輪手折った。足元を見ると、一面に同じ花が落ちていた。
白の上の赤・・・・・・。

『私は椿が一番好きなの』

その人は楽しげに言った。
僕は僕も好きだといった。とても綺麗だと言った。
その人は微笑む、より優しく、より深く。

その時・・・ぽとりと音がして、また一輪落ちた。

その人の顔から笑みが消えた。
悲しそうな、淋しそうな顔だった。
そうしてこう言った。

『花は・・・散るから・・・・・。』

聞き取れない・・・何を言ってるの?どうしたの?


・・・・・お母さん・・・・・。




 >>>匿名。   -- 04/12/30-03:49..No.[57]  
    気にしないで下さい。
単なる駄文です。


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あっぷっぷ Ver0.57 Created by Tacky's Room