この恋は確かに終わっている。 それにはっきりと気がつき、 そしてその瞬間に恋をしていたのだと知る。 胸をなんともいえない感情が通り過ぎる。 手放してしまった。何かを。 あんなにも体内で暴れていた物が。 もう身の内、どこにも見出せないと知る。 その静かな衝撃を。 彼を前にして動かない感情を、ぼんやりと追う。 会いたいと。 …会いたいとあんなにも。 「…・・・………?」 彼が何事か呟く。 顔をあげて。 何も知らない彼が自分を見る。 笑い返す。 ……うまく笑えただろうか。 終わってしまった恋に。 負担をかけずに 微笑む事が出来ただろうか。 |
>>>SP -- 05/01/11-02:40..No.[66] | |||