染まる色


その人は、まるで赤い花のようだと言われていた。
あかい、あかい椿の花。

雪の上に落ちて、なお赤く。
朽ちて逝くとき、より赤い。

美しい女(ひと)だった。

僕は言われた。
お前は似ているけれど、違うねと。
僕は、赤い花ではなかった。

白さ、透明さ、脆さ、悲しさ。
そんなものを集めて、形にしたもの。

染まらない寂しさ。
染まれない淋しさ。

自分すら傷つけて、砕けていく。

僕が、赤く染まるのは

血を流しているから。

血が流れているから。



 >>>匿名。   -- 05/03/17-15:22..No.[97]  
    相変わらず病んでるっぽいです。
一応はPCの回想…じゃないこともない。


[一覧へ戻る]

Pass
あっぷっぷ Ver0.57 Created by Tacky's Room