爽やかな風が吹き抜ける。青い空に白い雲が静かに流れていくのを見て、青年はコンクリートの壁にも垂れて座り込んだ。 青年の名前は蒼井 茄児(あおい かに)。有海高校2年生。 茄児はポケットから煙草を取り出し、口に咥えると火をつけた。 一筋の紫煙が上がり、空気中に溶ける。 「あ〜・・・禁煙なんてやるもんじゃねぇなぁ・・」 誰に言う訳でもなく呟く。太陽は痛い位に地上の民を照らし出す。ムカつく位明るい太陽。 「・・・チッ」 煙草を口に咥えたまま舌打ちをする。 太陽は嫌いだ。眩しくて、隠れる場所をなくしてしまうから。 逆に言えば新月は好きだ。闇ばかりで汚れた自分を隠してくれる。 強い風が吹く。余りに強かった為茄児は瞳を閉じた。 染めた銀の髪を撫で、天高く吹き抜けていく。 ++++++++++++++++++++++ 「今日は入部の日。頑張らないと」 一人の少年が小さく拳を作り、自分のカツを入れる。 少年の名前は陸 幸成(くが こうせい)。有海高校1年生で今日バスケ部に入部することになっていた。 身長は145cmとバスケ部の人間にしては小さいほうではあるがバスケの腕、特に3Pは誰にも負けないだろう。 「けど良い天気だな〜」 天を仰ぐ。真っ青な空に白い雲。コレでシュチュエーションが青い海だったら申し分ないだろう。 「うわっ!!」 突如強い風がグラウンドを走りぬけた。当然、グラウンドの方から体育館に向かっていた幸成は風に押され、数歩前へ走ってしまった。 「・・あれ?煙草の匂い・・?」 風に乗って煙草の匂いが幸成の鼻をくすぐった。足を止め、辺りを見回す。再び煙草の匂いがする。匂いを探って体育館裏へと足を進めた。 ++++++++++++++++++++++ 「こらー!煙草は駄目だぞ!」 幸成は誰と確認するわけでもなく煙草をすっている人物にそう言った。突然注意されて煙草を口から落とす。 「・・・・あっ」 「・・・誰だよお前」 煙草を地面に押し付け消すとポケット灰皿に押し込む茄児。座ったままなので幸成は茄児を見下ろす形となった。 「く・・陸幸成。一年生」 「一年・・?」 よっこらしょと言って立ち上がると茄児は幸成を見下ろした。茄児の身長は197cm。身長差52cm。訝しげに幸成を見下ろす。 「何部?」 「バ・・・バスケ部」 傍に置いてあった荷物を持上げる。幸成はなんでそんな事を聞くのだろうと首をかしげた。茄児はバッシュを持上げて幸成を見る。 「何してるんだ?体育館行くんだろ。俺もバスケ部だし一緒に行くぞ」 「えー!!!!!!バ・・バスケ部!?(通りで大きいと・・・)」 「あ・・そうだ。煙草吸ってた事は黙っててくれ。兄貴にばれたり、他の奴にばれたら親父に殴られるからさ・・」 約束っと笑いかける。幸成は「判りました」と返事をした。 「俺は茄児。蒼井茄児。陸宜しくな」 ニィと笑って歩き始める。ポケットからスプレーを取り出して口にふき、もう一つ取り出して自分の服にかけた。 「先輩。それは?」 「ん?臭い消し」 振り向きざまに陸にかける。レモンの匂いがフワリと香った。ニィと一つ笑ってから「いくぜ」と言って歩き続けた。 このとき、二人はまだ体育祭で「今大会最大身長差コンビ」になることを知らなかった・・・・。 |
>>>カニーズ -- 05/07/30-11:09..No.[126] | |||
一発目に陸幸成PLさん。ネタに使ってスンマセン・・。 何となく馴初めみたいな感じで書いてみたんですが・・何分幸成君の口調がわからない・・(ガフガフ) 煙草をたまに吸う(一応不良なので・・)茄児に遭遇した幸成君・・みたいな感じで・・・・。 いつも絡んでいただく陸PLさんにせめてお礼をと思ったのですが、絵は描けない(物凄く下手なので・・・)ので文にしてみました。陸PLさん。これからも宜しくお願いします。それでは! |
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